小・中・高の3人の子どもたちを通して、これまでいくつもの塾をみてきました。
小学生の子ぐま3は末っ子で、上の子の子育て経験から親も早めに準備ができるようになったので、姉弟の中で最も早くから塾通いすることになり、 現在、SAPIXに通っています。
現在のところ、SAPIX偏差値65前後を行ったり来たりしている子ぐま3。
親としても、今はSAPIXでよかったと思っていますし、本人もSAPIXで満足しているようです。
ですが、今回は、ちょっと俯瞰した目線で、「SAPIXは本当にいい塾なのか?」ということを考えていきたいと思います。
SAPIXの強み〜首都圏中学受験の圧倒的合格実績
これは言わずもがなですが、親がSAPIXを選ぶ理由のほとんどは、圧倒的合格実績にあると思います。
もちろん、中学受験ですから、合格実績が重要だというのは当然です。
ですが、それってSAPIXの実績なのかというと、ちょっと疑問でもあります。
SAPIXの弱み〜子どもの面倒見が良くない
SAPIXは、確かに、授業も問題も、学びの仕組みも素晴らしいのです。
ですが、SAPIXが提供するのは、その構造だけ。
子どもの面倒見という点では、正直、全く良くありません。
その子の学びの姿勢や、どう取り組めばいいのかについて、個別の面倒は見てくれません。
それは100%、親の責任になります。
巷で言われている通り、親のサポート量は、かなり多めです。
つまり、見方を変えれば、SAPIXの合格実績は、親の努力とそれについてこれる子どもの能力によるものとも言えます。
どうしても子どもの勉強に関わりたいという熱心な親御さん以外は、できれば、子どもの勉強は塾にお任せしたいというのが本音ではないでしょうか。
ですが、SAPIXに入るなら、親が徹底して子どもの勉強を管理しなければいけません。
親が気を抜こうものなら、子どもの成績は、みるみる間に下がってしまいます。
SAPIXの利点〜無駄がない
SAPIXは、授業と授業の間の休み時間がありません。
4年時までは、1教科1時間を3コマ、つまり、3時間の授業が、週2回。
5年時からは、1教科90分を2コマで、3時間授業が、週3回となります。
途中休み時間を取る塾と比べると、ダレることなく、授業に集中できますし、塾への滞在時間は短くなって、親がお弁当を届けたりする必要もありません。
くま家が、SAPIXを選んだ理由の1つは、この無駄のなさでした。
そして、同時に覚悟したのは、親が徹底してサポートしなければいけないということでした。
くま家は共働きですが、互いに在宅ワークなので、くま男が中心となってなんとかやっています。
ですが、共働きで通勤している場合は、想像するだけで大変だと思います。
中学受験塾選びで大切なことは、大手の看板ではなくて、親と子どもの状態に合わせて塾選びをすること。ブランドだけで選んでしまって、入ってみると大変!ということはよく聞きます。無理のない個別指導で対策していくのも1つの方法ですよ。ちなみに、中学受験の講師はプロ1択。それについては、この記事に書いています✏️
中学受験に必要な子どもの質
中学受験の勉強は、非常に特殊です。
学校で満点を取っているだけでは、中学受験の勉強にはついていけません。
ですが、満点を取っているタイプならば、本来は勉強に前向きに取り組めるはずです。
また、取り組みを継続ができるかどうかも大事な要素です。
つまり、
1. 勉強に前向き 2. 勉強を地道に継続していく力
この2つの質が、中学受験の勉強を進めていく上で、子どもに必要な質となります。
勉強はできるのに、継続できない子
中学受験に本気で取り組むとしたら、毎朝の勉強も必要となりますし、週末は8時間〜12時間の勉強をすることもあります。
SAPIX通いの子ぐま3を見ていて思うのは、淡々と継続する力が大切だということです。
スポ少に真剣に取り組んでいる親御さんならわかると思いますが、野球やサッカーでも、遠征に出たら朝から夕方遅くまで帰ってこないことは普通にありますよね。
勉強も、家にいるというだけで、真剣にスポ少に取り組むのと同じくらいの努力が必要になります。
力を向けているものがスポーツなのか、勉強なのか、それだけの違いです。
スポーツの世界でも、才能はあるけど練習をサボってしまう子がいるように、勉強の世界でも、地頭は良いのに自学が継続できない子がいます。
特に元気でやんちゃな男の子のタイプは、家でじっと椅子に座って勉強をするより、外で走り回って、サッカーや野球をやりたいという子も多いです。
それは、子どもにとって自然なことですし、むしろ、良いことだと思います。
さて、そういう子の場合、本来の実力としては難関校が目指せるのに、小学校6年生の時点では、難関校を目指すまでの結果が出ないこともあります。
思うのは、その子がどこで最高に伸びるかは、大人が決めることはできないということです。
中学で伸びる子もいますし、高校で伸びる子もいます。
もちろん、大学までぼんやりとしていて、社会人になって目覚める人もいます。
自分の最高のパフォーマンスを、小学校6年生で出さなければいけないというのは、むしろ、ちょっと偏った考え方です。
中学受験に合格する子どもたちの特徴は、圧倒的な好奇心があるかどうかと言われています。中学受験に向いてるかどうかが気になったら、科学実験のサブスクサービスからトライすると、その子の特徴が見えてくるかもしれません。国立中に合格した野球少年の息子も、小学1年生からレゴロボットプログラミング教室に通っていたことが、受験への道標になりましたよ。
レゴ(R)ブロックでプログラミングを学ぶ/Z会プログラミング講座 with LEGO(R) Education
自分にあった塾と自分にあった学校
偏差値だけを追っかけるように難関校を目指すのではなくて、その子にあった最善の学校を選ぶことが、結果、その子の将来のためになります。
くま家の長男、子ぐま2は、小学生時代は野球小僧だったので、中学受験はそもそもしないつもりでした。
おそらく、本人のやんちゃぶりからいくと、SAPIXに通うタイプではなかったと思います。
仮に通っていても、αクラスには入れなかったんじゃないかなと。
結果、子ぐま2が、中学受験塾に通ったのは、6年生のたった1年間。
朝の勉強はしてなかったですし、週末は野球三昧でした。
ですが、なんとか、第一志望の国立中学に合格できました。
今になって思うことは、野球をやりながら個別の塾に通う、ちょっと変わった中学受験だったけれど、6年生の最後まで、野球をやれてよかったということです。
はつらつとした中学校生活を送る本人を見ながら、小学校時代の野球で培われた自己肯定感が、本人の一生の宝になるだろうと確信しています。
ちなみに今は、難関校を目指ざすハードな高校受験塾に通ってますが、中学受験で疲弊していないので、まだまだ余裕があるようです。
子ぐま2が伸びるのは、これからだと思って、応援しているところです。
我が家の子どもたち3人が、勉強を嫌いにならずに、勉強に取り組んでいるのは、Z会があったから。勉強っていいことだって、肯定的な気持ちで勉強を捉えることが大切ですね!中学受験している子たちの多くがZ会経験者というのは、とっても納得です。
SAPIXを選ぶ理由
もし、お子さんが中学受験で難関校を目指すのであれば、SAPIXはとても良い塾だと思います。
ですが、親のサポートと、上に書いた子どもの2つの質(1. 勉強への前向きな気持ち、2. 勉強を継続できる力)がなければ、SAPIXは負担が大きいかもしれません。
SAPIXは下の方のクラスでも、そこそこの中堅校に入れると聞いていますが、だとしたらSAPIXで、親への負担や子どもの勉強量の多さに圧倒されるよりも、もっと面倒見のいい塾でもいいのではと思います。
仮に小学校4年生から6年生までの3年間通うとして、頻繁に開催されるテストとクラスの上がり下がりに心が左右されるのは、多感な子ども時代にはあまりお勧めできないなと思います。
ちなみに子ぐま3は、完全にオタクタイプで、勉強を黙々と継続しています。
のめり込んでいるスポーツはないので、エネルギーのほとんどを勉強に使って、この1年αクラスをキープしています。
クラスの上がり下がりを気にしなくなったことで、より勉強に打ち込めるようになって、いまはメダルや順位を目標にして頑張っています。
上の子で十分スポーツをさせてきて思うのは、スポーツに打ち込むのも、勉強に打ち込むのも、心意気は同じだということです。
塾業界でも話題の「二月の勝者」を読めば、決して中学受験に否定的になる必要はないとわかるかもしれません。
おすすめは大人買いです!
ちなみに、受験真っ最中の子どもには、刺激が強いので、大人が読んでくださいね!
我が家は子どもに読ませるのは、受験が終わってから・・・と決めています。
結局SAPIXはいい塾なのか?
本題ですが、これは、何をもっていい塾というかにかかっているように思います。
難関校を目指すようなタイプの子が、合格実績でSAPIXを選び、勉強にとことん打ち込んでいく場所としては、SAPIXはいい塾でしょう。
ですが、勉強以外にも好きなことがあったり、決して偏差値で学校を選ぶわけではない場合は、親も子も負担を感じてまでSAPIXに通う必要はないと思います。
もちろん、SAPIXが好きなら通うべきでしょう。
ですが、面倒見は決していいとは言えないSAPIXでは、各家庭に個別の温かいケアがあるわけではありません。
3人の子どもたちを通わせた塾は、SAPIX以外にも6つ、見学に行った塾はそれ以外にも4つありますが、面倒見のいい塾や子どもからの信頼の厚い先生がいる塾は、たくさんあります。
今時の塾の先生は、正直、学校の先生より信頼できることも多いです。
中学時代に不登校を経験した子ぐま1は、学校にはいかなくても塾だけは通い続けました。
塾の先生が大好きだったからなんですが、塾は、子ぐま1にとって、唯一ホッとできる場所だったようです。
面倒見のいい塾は、子どもの学力だけでなく、その土台となる心も支えてくれます。
塾は、単に人気があるとか、合格実績だけで選ぶのではなく、子どもの質で選ぶことが大切だと、3人の子どもたちと、それぞれの塾の関わりをみて感じています。
なるべく早めから、子どもが楽しんで勉強できて、さらに、親も、子どもに向いているものがわかるようになる、こちらの教材はおすすめですよ!
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
こぐま会教材、提携SAPIX(サピックス)ピグマの『幼児通信教育モコモコゼミ』
小学校受験の最高峰「こぐま会」教材による幼児通信教育。
小学生コースは中学受験の最高峰「SAPIX(サピックス)の通信教育 ピグマキッズくらぶ」と提携。
ゆるかわいいのに、最高峰な幼児通信教育。
アニメを見ながら一人で学べる『幼児オンライン教室モコモコちゃんねる』オプションもご用意。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☝︎今回のまとめ
- SAPIXは、授業も問題も学びの仕組みも素晴らしいが、面倒見は良いとは言えない
- SAPIXは、無駄のない仕組みになっている
- 親の努力が必須で負担が大きいのは本当
- 中学受験に必要な子どもの質は、1. 勉強に前向き 2. 勉強を地道に継続していく力、である。
- 本来勉強はできても、勉強を継続したくない子もいる
- 小学生時代に最高のパフォーマンスを出すことを目指すのは不自然
- 子どもの質ややりたいことに合わせて、塾や学校を見つけること
- SAPIXは難関校を目指したい子にはいい塾だが、そうでなければ一概にいい塾とは言えない
- 塾は学力向上だけではなく、子どもの心を支えてくれることもある