公立中学校の話をするのは、非常に繊細なことだと感じます。
SNSで本音を書くと、賛同する人もたくさんいるでしょうが、傷つく人や嫌な思いをする人もいるでしょうし、炎上することもあると思います。
ですから、これについてはSNSや身近な人のいる場所では、一度も発言したことはありません。
ですが、今もきっと、どこかで悩んでいる親御さんがいると思うと、私たちが体験してきたことは、ありのままに伝える必要があると思います。
ロスジェネ世代のくま子とくま男は、地方の公立中学校出身ですので、ご自身が私立中出身の親御さんよりも、フェアな見方をしていると思います。
ご判断はそれぞれにお任せしますが、正直な体験談と意見として、必要とされている方に受け止めてもらえるとありがたいです。
人生最大の失敗は、娘を公立中学に行かせたこと
こう言っているのは岡田斗司夫さんです。
実は、くま子とくま男も正直、同じ後悔をしています。
現在私立高校に通う第一子である子ぐま1は、地元の公立中にいきました。
理由は・・・
- 当時、私立中に行かせられるだけの経済的余裕がなかった
- 子ぐま2と3の育児が大変すぎて、考える余裕が全くなかった
- くま子とくま男が公立中出身のため、さほど公立中に抵抗がなかった
- 本人が友達と同じ地元の中学への進学を望んでいた
- 受験率が1割程度の地域のため、あまり受験について考えていなかった
ということが挙げられます。
中学受験は親の受験と言われます。
都心の小学校のように、ほとんどの子が中学受験するという環境がない限り、本人から中学受験したいということはめったにありません。
だから、中学受験する際は、親がなぜ受験をするのかをコツコツと子どもに伝えながら、塾のサポートを借りて、本人をその気にさせていく必要があります。
「そこに子どもの意志はあるのか?」「詰め込み教育は良くない!」という議論があるのは知っています。
ただ、この議論と「公立中に入れると子どもの安全性が守られない可能性がある」という課題は、別物なのです。
子どもの意志ってなんだろう?
正直、公立中学校のヤバさは入ってみないと分かりません。
本人が小学生の時点で想像できないのは当然ですし、親だって知ろうとしなければわからないままです。
早めに対策をしておくことは、何も悪いことではありません。
もちろん、子どもがどうしても地元の学校に行きたいのに、無理やり受験をさせているとしたら、いわゆる教育虐待です。
それも、全く別の問題。
ここで伝えているのは、公立中について何も知らない子どもたちを、親がサポートしながら、中学受験に前向きにトライさせることも、1つの選択であるということです。
それは、目の前にある、落ちてしまいそうな吊り橋を渡ろうとする子どもを止めて、迂回して安全な道を行こうと指し示すことと同等です。
そのまま進んでも、吊り橋は落ちなかったかもしれません。
だけど、落ちたかもしれないのです。
未来はわからないけれど、とりあえず安心安全を選ぼうよ、そんなことです。
国立中学に合格した我が家の野球少年は、オンライン個別指導で中学受験をより意識しましたが、学生講師を選んでしまい大変なことに。これについてはこちらの記事で✏️中学受験は当然ながら、高校受験までは必ずプロ講師を選んでくださいね!個別指導塾ドクターは、プロ講師揃いで、安心です。
詰め込み教育について
詰め込み教育の是非については、正直、くま家も考えます。
同時に、その子のスペックを最大限に活かしていく事の大切さも知っています。
教育界のさだまさしこと、藤原和博さんは、情報処理能力と情報編集能力の違いについて話されています。
今の日本の教育は、情報処理能力を高めようとするものです。
ですが、情報編集能力がなければ、クリエイティブな発想で自由な仕事はできません。
大事なことは、情報処理する力を育てながら情報編集能力をしっかり育てることであって、情報処理能力が必要ないということではありません。
社会に出ても、情報処理能力が低い人との仕事は、難儀です。
自分の得意分野でいいので、情報処理能力を高めていくことは、悪いことではないどころか、非常に価値があることです。
それとは別に、日本の詰め込み教育については、政治が改善していくべきことだと言えます。
公立中を選ぶ人もいる
これは、本当に運としか言えませんが、公立中の質は、地域や入った学年によっても違いがあると思います。
ですから、一概に全ての公立中がやばいとは言えません。
くま子の知り合いの子でも、公立中が楽しかったという子を何人も知っています。
ただ、話を聞いていても、公立中に問題がなかったわけではなさそうです。
- その環境しかないから、それを選んだ
- 他に選択できないからしょうがない
- 慣れてしまった
- そんなもんでしょう
- これからだって人生色々ある
というのが、その裏にはあるのです。
国私立だって、同じようなことは起こるでしょう。
ですが、そもそもの環境や教育の質、そして何より教師の在り方が違うので、公立中学で生じるような問題が、国私立で同じように頻発するのかというと、確率としては非常に低くなります。
公立中に入れるということ
今も昔も、家庭にはそれぞれの事情があって、様々な格差があります。
差を受け入れていくことは、とても大事なことです。
差のない人間はいません。
今日悲しい思いをしてる子、昨日めちゃくちゃ怒った子、今朝飛び上がるほど喜んだ子など、人によって毎日の体験や感情は異なります。
その差を目の当たりにしながら、子どもたちは成長していきます。
また、その反応によって生じた痛みや摩擦は、本来、子を見守る大人たちによって、できる限り解消されていく必要があります。
差を受け入れていくことは、安全だと思える環境でのみ可能になります。
自分の身が脅かされて、危機を感じている状況は、差が猛威をふるってしまっている時です。
今、日本人が戦地に行くことになったら、その差に圧倒されて、ストレスは増すでしょうし、現地の人だって、怯えて暮らしています。
例えが少し極端かもしれませんが、公立中学を選ぶかどうかということは、「公立中で頻発するこの差による摩擦に、子どもを晒しておきたいのか、それとも別の環境で、適度の差で鍛えながら成長させていきたいのか」とうことです。
もちろん、たまたま地域の民度が高く、学年が安定して、そこに純度の高い教育者がいるとするなら、公立中でも基本的安全は守られると思いますし、教育だって質が高まっていくでしょう。
千代田区立麹町中学校は、その典型的な例でしょうね。
ただ、こんな特別な公立中学校以外は、結局、入ってみなければ分かりません。
子ぐま1の荒れまくった公立中をみていると、正直公立中に入れるのは、賭けみたいなものだと思わざるを得ませんでした。
ですが、そもそも公立中しか選択肢がないからといって、決して不安になる必要はありません。
次に書くように、公立の方が良いこともあるんです。
ただ、国私立を選べるのであれば、家庭の教育方針をしっかり夫婦で話し合って、なるべく早めに準備に入ったほうがいいです。
公立中が良いこともある
子ぐま1に降りかかってきた公立中学校の問題は、正直かなり深刻でした。
その時お世話になった学校問題専門の弁護士さんからこんな話を聞きました。
公立中だったからこの程度で終わったようなものです。もし〇〇系の私立だったら、大変なことになっていましたよ。雇われた弁護士が被害者を徹底して潰しますから。公立の教師はただの公務員で、教育委員会の規則に従っているだけですから。〇〇系は、内緒ですよ!絶対に口外しないでくださいね!
〇〇系の学校ついては、信頼する弁護士さんとの約束ですから、絶対に言えませんが、この学校の問題は、全国ニュースにもなりました。逆にすでに弁護士さんから名前が上がるほどと知っていたので、ニュースで見た時は驚きもありませんでした(笑)。
ということで、公立でも、私立でも、問題が生じてしまったら、ある程度覚悟して対応するしかありません。
子どもたちには安全な学校生活を送って欲しいと願うのが、当然の親心です。
可愛い子には旅をさせろといいますが、暴走列車や安全性の低い飛行機に乗せて、旅をさせたいとは思わないでしょう。
基本的安全が守られているから、子どもを旅させられるのです。
公立中の問題はなぜ解決しないのか?
子どもの心は、家庭で出来上がります。
つまり、親が子どもを守れない家庭だと、子どもの心は荒れます。
そんな子が学校にどれだけいるかという割合が、学校がどれくらい荒れているかを示します。
単純に、確率の問題です。
なんどもいいますが、国私立でも同じことは起こります。
だけど、確率が低いというだけです。
そこに、掛け算的にもう1つの要因が入ってきます。
それが、教師の問題です。
公立中の教師は公務員です。
教員免許は、大学を出ていたら取れる資格で、教員試験が、難関試験というわけではありません。
ある程度の規則を守っていたらなれるのです。
驚きの教師の人選方法
その規則について、現役公立教師の従兄弟から聞いて、心底驚きました。
私より5歳ほど年下の従兄弟は、もともと公立の中学の教師をしていましたが、公立の学校システムに嫌気がさして一般企業に転職しました。
彼は大学時代から教師を目指していたのですが、当時教員試験を受ける友人たちの間で言われていたのがこんなことだったと言います。
・グループ面接では絶対に最初に手をあげて話してはいけない ・尖った意見を言ってはいけない ・話をまとめてはいけない ・目立つことをしてはいけない ・リーダーシップを発揮してはいけない ・人の意見に合わせる
思わず「嘘でしょう!?」と言ったら、
「公立には教育改革をするような人材は必要ないから、リーダーシップのあるやつは入れたくないらしい」
という回答でした。
従兄弟が私に嘘をつくメリットはありませんが、万が一嘘だとしたら、従兄弟が嘘をついたというよりも、当時、従兄弟の周辺にあった情報が嘘だった、ということでしょう。
ということで、本当かどうかは学校関係の方に聞くしかありませんが、本当だとしたら、結構知られている事実なんだと思います。
子ぐま1が通った公立中で体験した残念な教師たちは、一般の企業の勤め人としても、人としても、あり得ないような態度の人が多かったです。
- 面倒なことを起こしたくないと思って、なるべく問題に関わらないようにしている
- 相槌だけ打って、その場をやり過ごす
- 身を守るためなら平気で嘘をついたり、覚えてない、知らなかったという
- 結果、事実が判明すると、勘違いだった、把握していなかったと弁明する
- 必要な回数だけ、この弁明を重ねていく
本当に驚きでした。
もちろん、公立教師が全員そうだとは言いません。
ですが、正直、くま子とくま男が知っている、35年前の公立中の教師たちより、今の公立中の教師たちは、随分と質が下がっていると感じてきました。
教育委員会がそんな人選をしているのだとしたら、そうなってしまうのも納得ですね。
我が家が、期待をし過ぎていたのかもしれないし、世間知らずだったのは事実ですが、社会や人の一般常識が通用しないというのも、学校の不思議の1つです。
公立中学の負の連鎖には4つの要因がある
というわけで、公立中の問題が複雑化してしまうのは、次の4つの要因が掛け算されて、複雑に絡み合っていると、くま子は考えています。
- 家庭環境で傷ついている子どもの比率が高い
- そもそもの教師の人選の課題があって、指導力が不足している
- 問題に積極的に関わっても公務員教師&管理職にはメリットがない
- なるべく問題を表沙汰にしないで、なんとかやり過ごそうとする腐敗した学校システムがある
子ぐま1に生じた深刻な公立中問題で、こんなことを垣間見たくま家は、子ぐま2と3の中学受験を決めたのでした。
中学受験どうしようと思ったら
中学受験といっても、いろいろな学校があり、その子にあう学校は違います。
国立中に合格した息子(子ぐま1)が、小学校3、4年から、中学受験塾に通えたかというと、正直通っている姿は想像もできません(笑)。
土日に野球をやっているのもありましたが、落ち着きのないタイプで、平日は思いっきり遊んでエネルギー発散しないと、逆に不安定になっていたかもしれません。
ですから、まずは、本人がどれだけ勉強に向いているか、本人の傾向を知ったり、家庭で学習習慣を身につけることからスタートするといいでしょう。
中学受験の塾に入るためには、入塾テストもありますが、学校の勉強だけやってパスできるようなものではありませんから、入塾テスト対策にもなります。
そんなわけで、くま家の子ぐまたち全員がお世話になってきたのは、Z会。
国立中学に合格した息子も、Z会から始め、オンライン家庭教師、個別指導塾と体験しました。
中学受験どうしようと思っているなら、するかどうかは別として、早いうちから、まずはZ会の小学生コースの受講をしておくことを、本気でお勧めします。
ちなみに、我が家の末っ子、子ぐま3は、Z会のおかげで、SAPIXの入塾テストは簡単にパスできましたよ。
とはいえ、Z会にもメリットデメリットがあります。
3人の子どもがZ会にお世話になったくま子視点で、正直に書いた記事はこちらです。
☝︎今回のまとめ
- 公立中学がどんな場所かは、子どもも親も入ってみなければわからない
- 各家庭の意識の違いで、公立中の良し悪しは変わる
- 差があることは悪いことではないが、基本的安全が守られているからこそ、子どもは差の中で成長できる
- 公立中の方が良いこともある(私立がやばいこともある)
- 学校問題は、公立でも、国私立でも、同じように生じるが、生じる割合が公立中の方が高い
- 公立学校の教師の人選にそもそも問題がありそう(真相は不明)
- 子どもの質✖️教師の人選✖️公務員教師の意識✖️学校運営システムの4つの要因の掛け合わせで、公立中学の問題が複雑化している